(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
山上憶良の秋の七草の歌の「あさがお」はキキョウのことだとするのが定着している。
夏秋のころ、茎の先端に青紫色または白色の美しい五裂の鐘形花を開く。
「梗」という感じは¦木(きへん)」「石(いしへん)」に変えた「硬」と関係が深く、硬くなるという意味があります。
「脳梗塞」とは脳の血管が硬くなって、ふさがってしまうこと。
「きょう」と読むのは、奈良時代より前の時代に日本に伝わった中国語の発音を元にした、呉音と呼ばれる音読み。
一方の「桔」については、「桔梗」のほかには、はねつるべを表す「桔槹」とという熟語に使われているくらいで、はっきりとしていみはみあたりません。
15世紀につくられ中国の植物字典『本草綱目』によれば、「この草の根の根は「結実」して、「硬直」する、それが名前の由来だ」いう記述がありました。
「桔」とは、「結」の部首を取り換えたものだという事でしょう。
根が「実」を「結」ぶものかどうか、昔の中国の人たちにとって、キキョウとは、根を苦するに資する植物だった。
『広辞苑』の「ききょう」の項目には、「根は牛蒡状で太く、乾かして漢方生薬の桔梗(根)とし」ともあります。
李時珍先生の「結実」はともかく「硬直」の方は信じてもよいように思われます。
(以上は円満字先生 p102ー104 から抜き書き)
頂きの花の蕾はたしかに加賀の千代尼の言うように
「咲くときポンといいそうな」キキョウ@(2010年10月2日記)
wikipediaによれば、
キキョウの根はサポニン(オレアナン型トリテルペンサポニン)を多く含むことから生薬として利用されている(Platycodi Radix、日本薬局方では桔梗根でキキョウという)
鎮咳、去痰、排膿作用があるとされる
頂きの花はたしかに加賀の千代尼の言うように「咲くときポンといいそうな」キキョウ@花の文化園(2010年10月2日)
めちゃいいね!白いキキョウが群生しています。七草通りに続く道の側です。
(photo:20150713)
七草通りにて撮影
絶滅危惧II類
20080816.html
以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ秋の植物、「ハギ」を見ました。・・
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ、次は、涼風の秋の植物 (以下各項さらに続く・・・・ )