(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
台風とは、夏の終わりをつげる存在でもある。
芭蕉 野分 して 盥 に雨を聞く夜かな
野分:台風の古語「葉は長さ二メートル近くの長楕円形」馬鹿でっかい葉っぱ。これだけ大きいものならば、台風もさぞかし吹きつけ甲斐があることでしょう。
中国の詩には、バショウの葉に詩を書き付けるというモチーフもあり、雨とバショウ、詩人とバショウはよくある取り合わせ。
「芭蕉」を短く言うときには、「芭」でなく「蕉」を取り出す。
甘蕉
:バナナ
鉄蕉
:ソテツ
「蕉門」松尾芭蕉の一門
「芭」には「花」という意味がある
バショウの花:「夏秋に長大な花穂を出して、帯黄色の単性花を段階状上に輪生」(『広辞苑』)
実物を見に行って目にしたのは、ぶっといバネのようなひもの先に、昔の軍艦の大砲の弾でもぶら下げたような、何とも衝撃的なしろもの。
なるほど、こんな見た目の花を咲かせるのならば、そこに着目して名前をつけたくなるのも無理はないわなぁ。そう感じいった次第でありました
(以上は円満字先生 p96ー98 から抜き書き)
以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ、夏の植物、「バショウ」を見ました。・・
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ、次は、涼風の秋の植物 へ(以下各項さらに続く・・・・ )