花の文化/漢字植物園

蓴菜

(以下『漢字植物園』コンテンツ目次再掲)

円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。 『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。

BraseniaAlt
ジュンサイ
学名:Brasenia schreberi
科名:(スイレン目)ハゴロモモ科
英名: watershield
多年生の水草(浮葉植物)
wikipedia

ジュンサイと昔の名前

三世紀の終わり、都で役人をしていた 張翰 ちょうかん という人物は、 政治の乱れにほとほと愛想が尽きていました。ある日、秋風が吹くのを感じた彼は、「今ごろ、故郷の蘇州のあたりでは。「 蓴羹 じゅんこう と鱸魚の なます がおいしい季節だなあ」と懐かしくなりました、いてもたってもいられなくなった張翰は、そのまま辞職して故郷へ帰ってしまったとさ。

むかしの中国では秋の訪れを告げる風物詩だったわけですが、現在の日本では 、七月頃から出回り始める季節の味

「晋書」出典の四字熟語「蓴羹鱸膾(goo辞書)
故郷に帰りたくて仕方がない気持

ひとつの「帰りなんいざ」(陶淵明「帰去来辞」)なんでしょうかねと思いながら、wikipediaを見ると、記載は以下・・

「人生は心に満足を得られるのが大切なのだ。どうして数千里の異郷で官につながれて、名利や爵位を求められようか」と言い、故郷への思いを述べた「首丘の賦」(本文は現存せず)を書くと、官を捨てて故郷に帰った。(wikipedia)

ちなみに、「張翰」って「チャン・ハン」とよむのですね。はい、その名前の俳優さんを知ってます。

「蓴」
漢和辞典では、音が「ジュン」、訓は、「ぬなわ 」 
ジュンサイは「ぬなわ」とも呼ばれるようだ
。 そこで『広辞苑』に戻ると、「古名 、ぬなわ」とある。
「ぬなわ」という項目を見ると、漢字での書き表し方は「沼縄」または、「蓴」と説明されている。
「沼の中に生えている縄のような水草」

(以上は円満字先生 p93ー95 から抜き書き)

Photo


食材としての新芽
若い茎や葉は粘液質を分泌し、これで覆われた若芽を吸い物や酢の物の食材とする。

秋田県三種町のじゅんさいhttps://andofoods.com/



楽店市場で商品を見ると 「順才」という表記だったりします‥

以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ、夏の植物、ジュンサイを見ました。・・ 
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ (以下各項さらに続く・・・・ )

『漢字植物園』夏

炎熱の夏の14種

イタドリ(虎杖) ⇒kanji_itadori
エノコログサ (狗尾草/莠) ⇒kanji_enokoro
サルスベリ(百日紅) ⇒kanji_sarusuberi
ネムノキ (合歓木)⇒kanji_nemunoki
ホオズキ (鬼灯) ⇒kanji_hoozuki
アカザ (藜)⇒kanji_akaza
ジュンサイ (蓴菜) ⇒このページです(2023/09/08)
ショクダイオオコンニャク  (燭台大蒟蒻)⇒kanji_syokudai
バショウ (芭蕉)⇒kanji_basyou.
ノウゼンカズラ (凌霄花)⇒kanji_nouzenkazura
フヨウ (芙蓉) fuyou(2012/08/09)
ヒマワリ (向日葵)sun_smile
モモ (桃)唐草図鑑
ブドウ (葡萄)唐草図鑑

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WEB植物図鑑(花の文化園にて)
香りの丘   トーチリリー(球根園にて) ドラクンクルス(球根園にて)セイヨウトチノキ 香りの丘にて

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