(以下『漢字植物園』コンテンツ目次再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020年2月刊)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトルでした。
「さるすべり」の漢字については「百日紅」と書くのがよく知られている。
中国の古典で最も一般的な名称は、「
紫薇
」
「百日紅」も一名として『
二如亭群芳譜
』に挙げられる。
「四、五月に花が咲き始め、散っては咲いてと受け継がれて、八、九月へと至る。それが名前の由来である。(『二如亭群芳譜』(17世紀の王象新著)の説明)
この記述によれば、軽く150日くらいは咲きっぱなし。
中国人といえば「白髪三千丈」式の大げさな表現を好むことには定評があります。そんな彼らが、実際より少なめの「百日」で満足しているというのは、ちょっと不思議な気がします。
いや。www
たしかに、何日間咲くのか気になります。
中国語由来の「紫薇」「百日紅」という、花に着目した優雅な呼び名に対して、木肌の特徴をとらえた「猿滑り」はいかにも日本語独自の名称のように思われます。
しかし、そうとは言い切れない要素もあります。
9世紀の中国で、段成式という学者が書いた『
西陽雑俎
』という植物図鑑に、
「紫薇のことを、北方の人は、「
猴朗達樹
」と呼んでいる」
とあること。中国人も、この樹木を「サルが登れない木」だと捉えていたことは、間違いないようです。
レースのように縮れた花は、色には意外とバリエーションあって、どこか垢抜け、真夏の暑苦しさを忘れさせてくれる。
(以上は円満字先生 p64ー65 から抜き書き)
私としては、「サルスベリ」とは、面白い名前だと思い、「センニチコウ」(千日紅)は、どうなのよ、とも。以前、2012年8月のところに書いたことがありました。
※草本のヒユ科「千日紅」も夏の花。
LOVEGREENの記事
https://lovegreen.net/gardentree/
美しい花を咲かせる&コンパクトな庭木に!
サルスベリは年に1回は剪定しよう
この
「紫薇」という名前のことだが、中国の時代劇を見ていると、女性の名前として遭遇することがたまたまあり、記憶にあった。
[中国では、唐代長安の紫微(宮廷)に多く植えられたため、
紫薇と呼ばれるが、比較的長い間紅色の花が咲いていることから、百日紅ともいう。]というwikipediaの記述だが、 コトバンクでは、「紫薇」は、中国古代の天文学で、天帝の住む場所で、第一義は星座の名・天上世界の宮廷。現実の宮殿のことではない。語義は転じたようだが、「長安の宮廷に多く植えられていた」という点は、もう一段確認してみます。
※ネット上だけの情報は、「三人成虎」という事がある。要出典(;^_^A
花の文化園入り口シンボルツリー 2016年7月14日
サススベリの白い花
確かにミソハギの咲き方ですね。
ピンクのサルスベリの花の向こうに見る大花壇
8月4日migoro_8.html
以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、という事であるが、季節に合わせ、夏の植物、サルスベリ・・
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ (以下各項さらに続く・・・・ )