(以下『漢字植物園』コンテンツ目次再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020年2月刊)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトルでした。
ほの暗い情緒を感じさせる花
糸状の雄しべは全体が赤いものの根本は白く、放射状に群がり生えて、異世界の灯火のようなあやしい風情を醸し出す。
とはいえ、名前から見ると。日本人も中国人も目を泊めたのはこの木の葉っぱだった。
細かい葉が二枚一組になって生えていて、夜になって閉じるのが特徴。
日本語の「ねむのき」は、それを「眠る」ことにたとえた呼び名。、
漢字では「合歓木」と書き、「合歓」はこの木の中国の名称。
ものの辞書によれば、「夜、一緒になって眠るよろこび」を表します。
四世紀の崔豹という学者によると、「ネムノキは葉が細かくて枝がからまいやすいが、風に揺れると自然ろほどけて、互いに引っ張り合うことはない。そこで、この木を庭に植えると人は怒らなくなるのだ」
合歓といっても、なにも共寝をイメージする必要はない。シンプルに、一緒に居ると怒りを忘れてうれしい気分になる、という意味だと解釈してもよい。
(以上は円満字先生 p66ー67 から抜き書き)
名前が挙げられていないが、ネムノキというと、オジギソウを連想する。
ミモザという言葉だが、
「ミモザ」はギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色い房状の花を咲かせるマメ科アカシア属の総称、になっています。しかし、
オジギソウの学名がMimosa pudicaで
ミモザ(mimosa)は、本来、パントマイムのように動く(ミモス・ミモサ)と言う意味から手を触れれば葉を閉じる「オジギソウ」ことを指します。
https://en.wikipedia.org/wiki/Mimosa
カワラケツメイ
学名:Chamaecrista nomame
属名のChamaecristaは、chamae(地を這う)+crispus(縮れた)の合成語です。種形容語のnomameは、マメ科の莢果を付けるので「野の豆」
アカサヤネムノキ 学名:Cojoba arborea var. angustifolia
https://gkzplant.sakura.ne.jp/
シロバナネムノキ 学名:Calliandra portoricensis
https://neko-net.com/
「合歓木の白花ではない」カリアンドラ
以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ、夏の植物、ネムノキ・・
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ (以下各項さらに続く・・・・ )