(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
秋の七草の筆頭・
漢字ではくさかんむりに「秋」を書いて「萩」。いかにも秋らしい漢字ですが、『広辞苑』に「夏から秋、紅紫色または白色の蝶形花を多数総状につけ」とあるように、気の早いものは夏のうちから咲いています。
気の早いもの!www(笑)
確かににそういうヤツ。
この文章に二つルビが必要な用語がありました。
蝶形花
(コトバンク)
総状
:書き換え;房
花序(コトバンク)
総 (ふさ) の形になっている花のつき方。花に花柄がある点で,それのない穂状花と異なる
「萩」という漢字、中国ではヨモギの一種を指していた。「マメ科ハギ族の小低木の総称」としてのハギを表すのは、日本語独特の用法。
*wikipediaで「国字」としているのは間違い。
『広辞苑』に教えてもらったことは、『万葉集』の時代にはハギを表わす漢字といえば「芽子」が主流 だった。
ハギは『万葉集』 で最も多く歌われている植物で全4536種中141種に登場
(円満字先生が調べてみたところ)
万葉仮名(「波疑』「波義」など)で書き表しているのはわずか13種。
残りの115種は「芽子」を使い、
13種は「芽」一文字でハギを表している。
山上憶良のあの有名な歌もその一つ。
芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花
* http://manyo-makimono.blogspot.com/ハギは、一度、花を咲かせた古い茎から再び花を咲かせることはありません。翌春、芽として新しく伸び始めた茎に、秋になると花が咲くのです。
万葉びとたちは、ハギの生態をよく観察していたのですねえ!
(以上は円満字先生 p100ー101 から抜き書き)
2009年8月20日
ハギ:
七草通りにて撮影
以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ秋の植物、「ハギ」を見ました。・・
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ、次は、涼風の秋の植物 (以下各項さらに続く・・・・ )