(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
スミレ
学名: Viola mandshurica
科名;スミレ科
多年草
※wikipedia
「スミレ」の名はその花の形状が墨入れ(墨壺)を思わせることによる、という説を牧野富太郎が唱え、牧野の著名さもあって広く一般に流布しているが、定説とは言えない。
「スミレ」の名はその花の形状が墨入れ(墨壺)を思わせることによる、という説を牧野富太郎が唱え、牧野の著名さもあって広く一般に流布しているが、定説とは言えない。
【菫】
花が良く親しまれているのに対して、」スミレを表す漢字は、それほど知られていない。
「菫」はいろいろな植物を指すことになっていて困ってしまう。
「ムクゲ」
「セロリ」
「トリカブト」
漢字は一つなのに、表す植物がこんなにもいろいろあるなんて、無秩序もいいところ。
日本では「菫」を平安時代の昔から「すみれ」と読み慣わしてきたが、
「菫」で「スミレ」を指すのは日本語独特の用法とする漢和辞典が増えている。
その一方、現代の中国語では。「菫菜(ジンツァイ)」と呼ぶ。
日本から中国に逆輸入されたのかもしれない。
(以上は円満字先生 p25-27からき書き引用)