(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
コブシ
学名: Magnolia kobus
科名;モクレン科
落葉高木
※(wikipedia)
牧野富太郎:コブシは日本原産だから中国名があるはずはない。「辛夷」をコブシとするのは間違いだ!
『広辞苑』でも、 なお漢名「辛夷」は 本来「モクレン」のことと注記している。
『本草綱目』(李時珍)によれば、中国語の「辛夷」の「夷」は「 荑 」と同じ。「 荑 」は、チガヤの穂。モクレンの蕾は生え初めのころは、チガヤの穂に似ていて辛い味がするので「辛夷」という。
荑 https://kanji.jitenon.jp/kanjis/9452.html
中国の学問では、薬になる植物の研究を「本草学」と呼ぶ。
本草学の祖とされる神皇は、自分で実際に様々な食物を食べてその効能を調べ、最後は毒に当たって亡くなったという。
(以上は円満字先生 p7-9 から抜き書き)