
(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作 『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
漢字の世界では、一つの漢字が二つ以上の植物を指して
いることが、よくあります。
たとえば、「萩」は中国語ではヨモギの一種ですが、日本語
ではハギ。「罌麦」は、中国ではセキチクやそれに似た植物を指すのに対して、日本語で
テデシコを表すのに用いる、といった具合です。
それとは逆に、同じ一つの日本語が二つの植物を指し、漢字で書くと別の書
なってしまう、ということもあります。カリンがその例です。
『広辞苑』で「かりん」を調べると、二つの植物名が並んでいます。
一つめは、漢字で
は「花櫚」と書く、「マメ科の高木」
二つめは、「榠櫨」というむずかしい漢字を使って
書き表される、「バラ科の落葉高木」です。
私たちが知っている、十一」月ごろに出回る果実を漬け込んでお酒にしたり、のど飴の 材料にしたりするのは、バラ科の「榠櫨」。果実は薄黄色ででこぼとしているのが特 すが、『広辞苑』のイラストでは、その果実だけでなく、花のようすも確認することができます
のど飴(Amazon)
一方、マメ科の「花櫚」にはイラストはありませんが、「家具・細工物などの高級 だとの説明。この二つが同じ名前で呼ばれる理由については、調べてみたところ、木目 よく似ているからだ、という説があるようです。
カリン材特徴や実際に使われているものところで、「かりん」には「花梨」という書き表し方もあって、英字が簡単でしかもかわいらしいところから、よく使われています。
『広辞苑』でも、バラ科の「榠櫨」の方に「花
梨」とも書く」と注意書きがあります。
ほかの多
くの国語辞典も同様で、「花梨」はお酒や飴にな
る「榠櫨」と同じだ、という立場。
ところが、中国の辞書を見ると、「花梨」は「花櫚」だと書い てあるので、頭を抱えてしまうのです。
実際、一六世紀ごろにまとめられた、あの孫悟空が大暴れする『西遊記』には、「花梨」の木箱が出てくる場面があります。
また、一八世紀、才子佳人の恋模様を描いた長編小説、『紅楼夢』には、「花梨」の机が登場します。 「花梨」は家具の材料となるのです。それは、マメ科の「花欄」と同じではありません
とすれば、「かりん」には、「花櫚」と「根榠櫨」という二つの植物があるだけではなく、 「花梨」と書いた場合には、日本と中国で指す植物が違うという、たいへんや なっているわけです。
植物の名前と、それを書き表す漢字との関係はかくも 辞書編集者泣かせなのです。
(以上は円満字先生 p126ー128から要旨抜き書き)
wikipediaの記述では、
「木瓜」は他にボケ類やパパイア(「番木瓜」の略)を意味しうる。
漢名の「木瓜」や「万寿果」をもってパパイア科パパイア属のパパイア(番木瓜、乳瓜)と混同される場合があるが、全くの別種である。
また、マメ科のカリン(花梨)とは和名が同じであるが、全くの別種である(近縁でもない)。
以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ秋の植物、「カリン」を見ました。・・
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ、秋の植物 (以下各項さらに続く・・・・ )
ハギ ⇒(萩/芽子) kanji_hagi(20230914)
キキョウ ⇒(桔梗)kanji_kikyo(20230929)
ナデシコ⇒(撫子/瞿麦)(20231006)
コスモス ⇒(秋桜)(20231024)
ワレモコウ ⇒(吾亦紅)(20231108)
ススキ ⇒(薄/芒)(20231109)
キク ⇒(菊)(20231110)
リンドウ⇒(竜胆)(20240909)
フジバカマ⇒(藤袴)20241003)
キンモクセイ⇒(金木犀)(20241014)
カリン※このページです(20260904)
サイカチ ⇒(皂
莢)(20260904)
ケンポナシ⇒(玄圃梨)
サフラン⇒(洎夫藍) (20260909)
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