(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
(wikipedia)
日本人の食卓(鍋料理・おでん・沢庵等)には欠かすことのできない野菜
葉はビタミンAを多く含み、青汁の原料として使われる。
汁はビタミンCやアミラーゼを多く含む
消化酵素を含有することから、血栓防止作用や解毒作用がある
紀元前2200年の古代エジプトで、今のハツカダイコンに近いものがピラミッド建設労働者の食料とされていたのが最古の栽培記録
その後、ユーラシアの各地へ伝わる。
中国では西城から伝わったとみられ、紀元前4世紀にはすでに記録がある
日本には弥生時代には伝わっており、奈良時代の歴史書『日本書紀』にも記され、
仁徳天皇の歌に「於朋泥」(おほね)として登場するのが最も古い記録
『広辞苑』によれば
漢字での書き表し方は「清白/蘿蔔」の二つ。
「清白」は清らかなことを意味する「すず」を「清」で表わし、それに「白」をくわえたもの。
「蘿蔔」は音読みすれば「ちふく」でスズシロ=ダイコンの中国名
難しい漢字。
中国の辞典で「蘿蔔」を見ると、別名のあまりもの多さに、度肝をぬかれた。
音読みはどれも似たり寄ったり。
音読みとは、昔の中国語の発音が変化したもの。
発音が同じなのに漢字が異なるというのは、外来語に対する当て字に、よく見られる現象。
Raphanus は古代ギリシア語でハツカダイコンを指す言葉に由来する。
学名の Raphanus を「ラファヌス」と読むのだとすると、「ラフク」等々とかなり近い>
大根の原産地には諸説あるそうだが、西アジア辺りとするのが有力。
そこからヨーロッパには主に赤いハツカダイコンが入り、中国には主に白い大根が伝わっていったようです。
とすれば、「らふく」も「ラファヌス」も原産地での名前に由来している のではないか。
大根とその名前がシルククロードを伝って中国に伝わり、やがて日本にも渡ってきたのだとすればなんとも壮大なお話でうれしいのですが・・・・・
(以上は円満字先生 p172ー173から抜き書き)
※跡見群芳譜http://www.atomigunpofu.jp/ 漢名の蘿蔔・萊菔・蘆菔・蘆葩は、いずれも西方名(たとえばギリシア語でハツカダイコンをラパニスと言う)の音写。 ラテン名 Raphanus もこれによる。
こちらでは、「西方名の音写」とされている。
「西方」とは西洋のことと紛らわしいが、そうではなくて、推定原産地(ヨーロッパの西)から直接シルクロードを伝わってアジアへという、 円満字先生の浪漫のお話。www
以上、季節に合わせ漢字植物園コンテンツ作成中。円満字二郎先生の著作を参照しつつ、新年と春の植物、「薺」を見ました。・・ (以下各項さらに続く・・・・ )