花の文化/漢字植物園

慈姑

(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)

円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。 先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。

漢字の植物苑 円満字二郎 岩波書店

Sagittaria trifolia var.edulis leaves
クワイ
学名:Sagittaria trifolia L. 'Caerulea'
科名 : オモダカ科

クワイはやさしいお姑さん

いわゆる「難読漢字」 
中国での呼び名そのまま 
漢詩文で「慈姑」を「じこ」と音読みする時は愛情深いお姑さんという意味

『本草綱目』(16世紀中国の植物字典)にの説明は
1つの根から年に12もの芋が育つ。まるで「慈姑」がたくさんの子どもに乳を与えているようだから、この名がついた。

なるほど!という説明ですが、だったら「慈母」でいいじゃないか。

中国語の辞書にはこの植物には、「茨菰」という別名もある。音読みでは「じこ」と読める。
「慈姑」は「茨菰」に対する当て字として生まれたのではないか。

白楽天の詩

樹は暗くして  小巣 しょうそう 巧婦 こうふ かく
みぞ は流れて 新葉  慈姑 じこ は長ず

8~9世紀の詩人白楽天のが田舎暮らしの楽しみを歌った詩。
「小暗い木陰ではミソサザイ(巧婦)が小さな巣を作り、荒れた水路では慈姑が新しい葉を伸ばしている」
「巧婦」(働き者のお嫁さん)と「慈姑」と合わせて一種のことばあそびになっている。

(以上は円満字先生 p166ー168から抜き書き)

以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせし、新年と春の植物、「慈姑」を見ました。・・  (以下各項さらに続く・・・・ )

『漢字植物園』新年と春の植物

岩波書店による、目次の頁

新年と春の芽生え 11

ダイダイ(橙)⇒kanji_daidai
ユズリハ(譲葉/交譲木/楪/𣜿)⇒kanji_yuzuriha
クワイ(慈姑)⇒このページです(20240217)
ナズナ(薺)⇒kanji_nazuna
フキのとう(蕗の薹)⇒kanji_fukinotou
スズシロ(清白・蘿蔔)⇒kanji_suzusiro
セリ(芹・芹子・水芹)⇒kanji_seri
ハンノキ(榛の木・榛)⇒kanji_hannoki
ヒイラギ(柊・疼木) ⇒kanji_hiiragii
ブンタン(文旦・朱欒・香欒) ⇒kanji_buntan
ツバキ(椿)⇒kanji_tubaki

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