(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)
円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。
先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。
※(wikipedia)
和名セリの語源:若葉の成長が競り合うように背丈を伸ばし群生して見えることから、「競り(セリ)」
英名:ウォーター・ドロップウォート (Water dropwort)
中国植物名(漢名)中国薬物名:水芹(スイキン)
独特の香りを持つ
「芹」:この漢字、訓読みして使われるのがほとんど。
収録項目数二十五万を誇る『広辞苑』の中を探してみても、音読で読まれるのは
「献芹(けんきん)」くらい。
セリを献上する=「人に物を送るときの謙譲語」として使われる。
『列子』にあるエピソード
「芹」が大好きな貧しい男が 、村のお金持ちのところに持っていったが、・・・笑いものになった。
中国での「芹」は身分のある人が口にするものではなかったようだ。
※(コトバンク) 《「列子」楊朱から。つまらない野草のセリを差し上げる意》物を贈ることをへりくだっていう語。
日本語の「芹摘む」= 思いがかなわない事
『広辞苑』では、「高貴な女性が芹を食べるのを見た身分の低い男が、芹を摘んで自分の思いの遂げられるのを期待したが徒労に終わったという故事から」と説明
※(goo辞書)《平安時代に慣用された歌語。》
とすると、中国の「芹」と日本「セリ」とは、指す植物が違うのではないかという疑問が湧くが、いくら調べても「芹」はセリで間違いがないようなのです。
(以上は円満字先生 p176ー178から抜き書き)
検索のおまけ(wikipediaです)
『列子』が出典である故事成語
杞憂
朝三暮四
愚公山を移す
疑心暗鬼を生ず
以上、季節に合わせ漢字植物園コンテンツ作成中。円満字二郎先生の著作を参照しつつ、新年と春の植物、「芹」を見ました。・・ (以下各項さらに続く・・・・ )