花の文化/漢字植物園

燭台大蒟蒻

(以下『漢字植物園』コンテンツ目次再掲)

円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。 『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。

Amorphophallus Wilhelma
ショクダイオオコンニャク
学名:Amorphophallus titanum
科名:サトイモ科・コンニャク属
英名: watershield
別名スマトラオオコンニャク
インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生
wikipedia

世界最大!ショクダイオオコンニャク

『広辞苑』第七版に新規追加の1万語の中の一つ。


この世界最大の花は、数年に一度、七月の終わりごろの二日ほどしか咲かないという希少性もあって、いざ花が咲くとなると、ちょっとしたニュースになります。

「蒟蒻」 というに文字を「こんにゃく」とよむのは、音読み。つまり、中国語由来の言葉です。

古くは三世紀後半に使用例があるが、そこでの「蒟蒻」は、現在私たちが知っているコンニャクではなく、「蒟」と「蒻」というう二つの別々の植物を指していたようです。 

「蒟」はキンマという植物。広辞苑によれば 「マレーシア原産のコショウ科の常緑蔓性低木。
「蒻」の方は、蓮根のこと。
キンマと蓮根が結びついてコンニャクになった経緯はよくわからないが、おそらく当て字的に使われた漢字がたまたま一致してしまったのでしょう。

そのコンニャクは、現代の中国では、 「魔芋マーモー」と表現されるのがふつうです。
燭台大蒟蒻も「巨華チーファ」だとか「泰担タイタン魔芋」としょうされているようです。
「泰担」とは、英語のTitanに対する当て字で、巨人のこと。
また、花がとてつもない腐臭を発するところから、英語では corpse flower、つまり「死体の花」とも呼ばれるので、それを訳した「尸花シーファ」という中国名もあります。

日本語、中国語、英語のどれをとっても、つくづく強烈な印象を与える花ですね。

(以上は円満字先生 p90ー92 から抜き書き)

Photo

Amorphophallus titanum with 3 flowers - Botanischer Garten Bonn
Amorphophallus titanum

dracunclusのページ(下部)に、【臭い花】番付があります。

以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせ、夏の植物、「ショクダイオオコンニャク」を見ました。・・ 
”歳時記よろしく、広辞苑片手につづる”という売り文句に合わせ (以下各項さらに続く・・・・ )

『漢字植物園』夏

炎熱の夏の14種

イタドリ(虎杖) ⇒kanji_itadori
エノコログサ (狗尾草/莠) ⇒kanji_enokoro
サルスベリ(百日紅) ⇒kanji_sarusuberi
ネムノキ (合歓木)⇒kanji_nemunoki
ホオズキ (鬼灯) ⇒kanji_hoozuki
アカザ (藜)⇒kanji_akaza
ジュンサイ (蓴菜) ⇒kanji_jyunsai
ショクダイオオコンニャク (燭台大蒟蒻)⇒このページです(2023/09/09)
バショウ (芭蕉)⇒kanji_basyou.
ノウゼンカズラ (凌霄花)⇒kanji_nouzenkazura
フヨウ (芙蓉) fuyou(2012/08/09)
ヒマワリ (向日葵)sun_smile
モモ (桃)唐草図鑑
ブドウ (葡萄)唐草図鑑

←『漢字植物園』コンテンツ目次に戻る
WEB植物図鑑(花の文化園にて)
香りの丘 セイヨウトチノキ トーチリリー(球根園にて) ドラクンクルス(球根園にて) 香りの丘にて

▲TOPへ戻る

edited byM
edited byM