セージ

Salvia officinalis L.


2005/06/14 花の文化園ハーブ園にて撮影


セージ sageSalvia officinalis L.

シソ科の常緑多年草で,薬用サルビアとも呼ばれる。
ヨーロッパ南部原産で,欧米では古くから家庭用ハーブ (香草) として栽植されている。
高さ 30 ~ 70cm,全草に白い軟毛が密生する
。葉は長楕円形でしわがあり,有柄で対生。
5 ~ 7 月に茎頂および葉腋 (ようえき) に紫,青,白色などの唇形花をつける。
春または秋に播種 (はしゆ) し,8 月に葉を刈り取り,陰干しして蓄える
乾燥葉 (サルビア葉という) は約 2 %の精油を含み,
ピネン,シネオール,ボルネオールなどが主成分で芳香を発する。
昔は薬用として,咽喉炎のうがい薬や胃腸炎の内服薬としたが,
現在ではスパイス (香辛料) としての使用がほとんどである。
乾燥した葉をソース,カレーなどに香味料として混ぜる。肉とくに豚肉料理にあうとされる。
そのほかハム類の加工にも用いられる。干した葉は茶のようにして飲む習慣も古くからある。
星川 清親(平凡社世界大百科事典)

[伝承]
荒俣 宏(平凡社世界大百科事典)

中世ヨーロッパではセージが防腐・増血の効果を持つとされ,騎士たちは戦場で負傷してもこの匙じ汁を飲めば手足を切断されずにすむと信じたという。古代ローマ軍がイギリスに渡った際にも,この種をまきながら行軍したらしく,セージの茂る道はローマ兵の通過を示すといわれるディオスコリデスが《薬物誌》で悪臭と呼んだその香りは,一般には芳香とみなされる。この芳香は歯の病を防ぐ力があると考えられ,歯磨粉ができるまではセージで歯をこする習慣があった。花言葉は〈健康と長寿〉〈尊敬と家庭的美徳〉。 ⇒サルビア

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