『徒然草』第19段

『徒然草』の研究家の島内先生は、毎年、元旦には、この19段を必ず朗読なさるという。
『徒然草』第19段の冒頭
「折節 (おりふし)の移り変はるこそ、物事(ものごと)に哀れなれ。」
季節の移り変わりこそ、「あわれ」というもので、
冒頭に続く春の項を以下に・・

「物の哀れは、秋こそまされ」と、人ごとに言ふめれど、それもる物にて、今一際ひときは、心も浮き立つものは、春の気色けしきにこそあんめれ。鳥の声なども、ことほかに春めきて、長閑のどやかなる日影に、墻根かきねの草、萌えづる頃より、やや春深く、霞み渡りて、やうやう気色立つ程こそ有れ、折しも、雨・風,打ち続きて、心あわたたしく、散り過ぎぬ、青葉に成りくまで、よろづに、ただ、心をのみぞ悩ます。花橘はなたちばなは、名にこそ負へれ、なほにほひにぞ、いにしへの事も、立ち返り、恋しう思ひ出でらるる。山吹の清げに、ふぢ覚束おぼつかなき様したる、すべて、思ひ捨てがたき事、多し。

順番は、

垣根の草初草
鳥の声鶯の初音

花(桜)
花橘

山吹

ここで初草であるが・・

はつ-くさ 【初草】

学研全訳古語辞典

名詞

①春の初めにもえ出る草。若草。[季語] 春。
幼い子などをたとえていう語。

初草は若草のことで、花もまた「桜」のことでしたね。
ここで、自サイトから桜の頁を振り返ってみます。

2021年3月|古都の桜


宇治植物園のライトアップ
https://hana.karakusamon.com/2021/sakura202103-3.html

2021年3月|花の文化園の桜

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2007年4月|西行庵の桜

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ねがはくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ
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植物図鑑|ヲメイヨシノ

https://hana.karakusamon.com/someiyosino.html
植物生理「休眠解除過程」の説明がありました。

多くの種子は、低温条件下に一定期間置かれると、休眠が解除される( 春化 )