花の文化/漢字植物園

譲葉/交譲木/楪/𣜿

(以下『漢字植物園』コンテンツ目次より再掲)

円満字二郎先生の著作『漢字の植物苑』(岩波書店2020)
岩波の『図書』に連載した、「漢字の植物園in広辞苑」を元にまとめたもの。 先生のは『広辞苑』に合わせて、「植物園」でなく「植物苑」というタイトル。

漢字の植物苑 円満字二郎 岩波書店

Daphniphyllum macropodum (Ibaraki Botanical Garden) 01
ユズリハ
学名:Daphniphyllum macropodum
科名;ユズリハ科

古くはトウダイグサ科に含められたが、雌蕊が2個(トウダイグサ科は3個)などの違いから、独立のユズリハ科とされた。

ユズリハの葉っぱにご注目!

正月飾りによく使われる植物の一つ
漢字での書き表し方は、「譲葉/交譲木/楪/𣜿」

「交譲木」はもともとは中国の伝説的な木の名前、なんでも、二本がペアになって生えて、年ごとに片方が枯れては片方がよみがえるのだとか。
「交譲」は互いに譲りあうこと。

「楪」は「ちゃ」と音読みしてお皿を表わす漢字。
植物と何の関係もない漢字が、どうしてユズリハを指すことになったのか。

「𣜿」は日本で独自に生み出された、いわゆる「国字」
葉の生え換わり方に特徴のある樹木に、「木へん」に「葉」を組み合わせて作ったというのは、いかにもありそうなことです、
ユズリハを指す漢字としては、「𣜿」の方が先で、それが省略されて「楪」が生まれたと考える方が自然。
室町時代から江戸時代にかけて作られた辞書では、「𣜿」「楪」、どちらの漢字も見られるものの、「葉」を用いた「𣜿」の方が優勢であすようです。
し 『広辞苑』のみならず、国語辞典には、「𣜿」はあまり載っていない。復権を願う次第です。

以上、円満字二郎先生の著作を参照しつつ、漢字植物園コンテンツ作成、季節に合わせし、新年と春の植物、「ユズリハ」を見ました。・・  (以下各項さらに続く・・・・ )

『漢字植物園』新年と春の植物

岩波書店による、目次の頁

新年と春の芽生え 11

ダイダイ(橙)⇒kanji_daidai(20240209)
ユズリハ(譲葉/交譲木/楪/𣜿)⇒このページです(20240207)
クワイ(慈姑)
ナズナ(薺)⇒
フキのとう(蕗の薹)
スズシロ(清白・蘿蔔)
セリ(芹・芹子・水芹)
ハンノキ(榛の木・榛)
ヒイラギ(柊・疼木 )⇒kanji_hiiragii(20240205)
ブンタン【文旦・朱欒・香欒】
ツバキ【椿】

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