ハーブ図鑑: ゼラニウム

Pelargonium hortorum Bailey

ゼラニウム fish geranium
Pelargonium hortorum Bailey


平凡社世界大百科事典(柳 宗民 )から要約すると

フウロソウ科の多年草。和名はテンジクアオイ。
現在はテンジクアオイ属Pelargoniumとして分類されているが,
園芸的には旧属名ゲラニウムGeraniumをそのまま使用している。

一般にゼラニウムと呼ばれているものは,
南アフリカ原産のモンテンジクアオイP.zonale L.を中心に
P.inquinans Ait.などを交配して改良したもので,
多くの系統,品種がある。草本質の半低木状となる耐寒性のない多年草

茎は多肉質で,茎葉に特有の魚臭をもつ 。
四季咲性で,花は長く伸びる花茎上に,径 2cmぐらいの 5 弁花を多数,散形状につける。
一重咲きのほか,半八重咲・八重咲種もあり,
花色も緋赤色のほか,白,ピンク,サーモン,赤紫,藤桃,バラ色など多彩である。

高性大房咲きとなる花ゼラニウム
草丈 20 ~ 30cmのドワーフ・ゼラニウム系,
より小型のミニ・ゼラニウム系,
葉色に変化の多い変り葉ゼラニウムfancy‐leaved geranium系などのグループがあり,
近年は種子繁殖により栽培する一代交配種系もある。

これらとは別にP.peltatum Ait.とP.lateripes L ’ Her.などの交配から改良されたつた
葉ゼラニウム (アイビー・ゼラニウムivy geranium) という別グループがあり,
これは茎がはうように長く伸び,葉は革質で 5 裂し,ときに輪紋を現す。
ゼラニウム同様,四季咲性があるが,日本では春~夏によく咲き,
それ以後はあまり咲かないことが多い。
花色は赤,ピンク,サーモンピンク,白,藤桃色などがあり,まれに斑入り (ふいり) 葉種もある。


テンジクアオイ属は,南アフリカを中心に 200 種以上が知られているが,
観賞用に栽培される種のほかに,
ゼラニウムオイルを採取するニオイゼラニウムP.×asperum Ehrh.ex Willd.など
数種が芳香を有し,利用される。
種によって芳香が異なり,パイナップル,リンゴ,ペパーミントなどに似た香りをもつものがある。

青い花の美しい季節に写真を追加します(*^ー’)b

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